2024/06/26
建売住宅のメリットとは?デメリットや注文住宅との比較も徹底解説
この記事では、建売住宅のメリット・デメリットについて解説します。
建売住宅は、不動産会社などが土地を仕入れて住宅を建築して、セットで販売している住宅のことです。
また、戸建て住宅の中には、自分で土地や家の間取り、仕様を考えて建てる注文住宅もあります。中には、建売住宅と注文住宅のどちらが良いのか迷う人も少なくありません。
この記事では、建売住宅と注文住宅を比較しながら特性を徹底解説します。ライフスタイルやニーズに合わせた住まい選びをしたい方は、ぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
- 建売住宅と注文住宅の違い
- 建売住宅のメリットとデメリット
- 建売住宅を購入するときのポイント
そもそも建売住宅とは?
建売住宅とは、建設会社が土地を購入し、そこに計画的に建てた住宅のことを指します。
建売住宅は新築完了後に販売されることが一般的です。個々の住宅が独立して販売される点が特徴であり、購入者は自分が希望する住宅を選べます。
- 分譲住宅との違い
- 注文住宅との違い
ここでは、上記2種類の住宅における違いを順番に見ていきましょう。
分譲住宅との違い
建売住宅と分譲住宅の違いは、販売の形態にあります。建売住宅は、建設会社が土地を購入し、計画的に建てた住宅を個々に販売する形式です。
一方、分譲住宅は、1つの広い土地に複数の住宅が建てられ、その全てが一括して販売されます。分譲住宅は建売住宅と比較して、物件の間取りや仕様、設備が周囲と同様のものになることが多いといえます。
注文住宅との違い
注文住宅と建売住宅の大きな違いは、建物の設計と建築過程における顧客の関わりです。
注文住宅は、顧客があらかじめ自分の好みやライフスタイルに合わせた要望を出し、それに基づいて一から建築を行う形です。つまり、間取りやデザイン、素材の選択などの家に関する多くの要素を自分で決定できます。
一方、建売住宅は建設会社があらかじめ設計と建築を行い、完成した家を販売する形です。建築にかかる時間や手間は省けますが、自分の好みに詳細に合わせた家を建てることは困難だといえます。
建売住宅のメリット
ここでは、建売住宅のメリットとして以下4点を解説します。
- 費用を比較的抑えられる
- 土地を探す手間が省ける
- 実物を見て家を決められる
- 購入手続きや入居がスムーズ
1つずつ見ていきましょう。
費用を比較的抑えられる
建売住宅のメリットの1つは、費用を比較的抑えられる点です。
土地の購入から建物の設計、建設までの一連の流れを自分で行うとなると、予想以上に高額な費用と手間がかかることがあります。
住宅金融支援機構が行った『2022年度 フラット35利用者調査』によれば、全国でフラット35を利用して建売住宅を購入した人の購入価額は3,719.0万円でした。
一方、全国でフラット35を利用して土地付注文住宅を購入した場合の建設費と土地取得費の合計は4,694.1万円でした。
つまり、注文住宅よりも建売住宅は1,000万円ほど費用が抑えられています。
建売住宅の場合は、建設会社が土地の選定から設計、建設までの全てを一括して行うため、全体的なコストを一定の範囲に抑えることが可能です。
ただし、価格は地域や物件の立地、仕様により大きく異なります。
土地を探す手間が省ける
建売住宅は、自分で土地を探す手間を省ける点もメリットの1つです。
自分で理想のロケーションを見つけるのは、膨大な時間と労力が必要です。一方で、建売住宅の場合、建物と土地がセットで販売されているため、自分で土地を探す必要がありません。
また、販売業者が土地の選定から建設まで行っているため、比較的安心して購入できます。
実物を見て家を決められる
建売住宅のメリットとして、実物を見て家を選べる点も挙げられます。完成した家を直接見て、間取りや設備、仕上げの質感などを具体的に確認できます。
また、自分のライフスタイルや家族構成に合ったプランを選びやすい点もメリットです。
建売住宅は完成前に模型や図面で確認するだけではなく、実際に物件を見学することで、日当たりや風通し、周囲の環境なども実感できます。
理想の住まい像を具体的にイメージでき、自分に最適な家を見つけやすいでしょう。
購入手続きや入居がスムーズ
建売住宅のメリットとして、購入手続きや入居がスムーズである点も挙げられます。
建売住宅は既に完成しているため、購入後すぐに入居することが可能です。また、土地と建物がセットになっているため、別々に手続きする必要がありません。
さらに、建設会社が購入から引き渡しまでの手続きをサポートしてくれるので、不動産に詳しくない人でも安心して購入できます。
建売住宅のデメリット
建売住宅のデメリットとして、以下3点を解説します。
- 土地の状態を把握しにくい
- 間取りやデザインを自由に選びにくい
- 既に多くの人が出入りした家に住む
順番に見ていきましょう。
土地の状態を把握しにくい
建売住宅のデメリットの1つとして、土地の状態を把握しにくい点があります。
建設会社が選んだ土地に建てられた家を購入する形になるため、自分自身で土地の選定や調査を行う機会がありません。その結果、地盤の安定性や土地の水はけ、周囲の地形や環境など、具体的な土地の状態を詳しく知ることが困難です。
これらの情報は、住宅の耐久性や快適性、将来的なリスクを評価する上で重要な要素となるため、十分な情報を得られないことは大きなデメリットといえます。
間取りやデザインを自由に選びにくい
建売住宅は、あらかじめ建設会社によって設計されたプランに基づいて建てられます。そのため、自分の理想とする間取りやデザインを具体化するのは困難です。
自分のライフスタイルや特定の家具を配置するための空間を考慮した間取りにするなど、細かな調整が必要な場合、建売住宅は選択肢として十分でない可能性があります。
自分の好みやニーズに対応したマイホームを実現したい人は、自由に設計できる注文住宅のほうが適しています。
既に多くの人が出入りした家に住む
建売住宅は完成後に多くの人が内覧を行います。そのため、購入を決めた時点で家は既に多数の人々が出入りしたものとなります。新築にもかかわらず、多少の傷や汚れがある場合があるでしょう。
また、プライバシーの観点からも、家の内部を多くの人に見られていることに抵抗を感じる人も少なくありません。
建売住宅と注文住宅はどっちがいいのか
建売住宅と注文住宅のどちらがいいのかは、一概には言えません。どちらがいいのかは、ライフスタイルや家族構成、予算、好みなど非常に多くの要素によって異なります。
- 建売住宅が向いている人の特徴
- 注文住宅が向いている人の特徴
それぞれが向いている人の特徴について、詳しく見ていきましょう。
建売住宅が向いている人の特徴
建売住宅が向いている人は以下の特徴を持っていることが多いといえます。
- すぐに入居したい人
- 予算を抑えたい人
- 自分で設計することに興味がない・時間をかけたくない人
- 土地選びに自信がない人
建売住宅は既に完成しているため、手続きを終えればすぐに入居できます。そのため、すぐに今の住居を引き払って入居したい人におすすめです。
また、土地選びから設計、建設までを一括して行う建売住宅は、注文住宅と比べて全体的なコストを抑えることが可能です。予算を抑えたい人にも向いているといえます。
建売住宅は建設会社が設計から建築までを行うため、自分で詳細な設計をする必要がありません。設計に興味がなく、手間だと感じる人は建売住宅のほうがよいでしょう。
建売住宅は土地付きで販売されるため、自分で土地を探す手間が省けます。良い土地を選べる自信がない人や、手間だと感じる人は建売住宅をおすすめします。
注文住宅が向いている人の特徴
注文住宅が向いている人の特徴は以下が挙げられます。
- 自分のライフスタイルや好みに合った家を持ちたい人
- 時間とコストをかけて理想のマイホームを実現したい人
- 自分で土地を選びたい人
注文住宅は、自分の好みやライフスタイルに合わせて家の設計を決定し、その設計に基づいて建築できます。そのため、間取りやデザイン、素材の選択などでこだわり、自分のライフスタイルや好みに完全に合った家を持ちたい人におすすめです。
また、注文住宅は設計から建築まで時間とコストがかかりますが、自分の理想とする家を具体化できます。時間とコストをかけてでも理想の家を追求する人は注文住宅が向いています。
注文住宅の場合、自分で理想の土地を選び、その土地に合わせて家を設計することが可能です。立地の良さに強いこだわりを持っている人も注文住宅がよいでしょう。
建売住宅を購入するときのポイント
建売住宅を購入する際には、主に以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 土地の状態に関する情報をチェックしておく
- 周辺環境をチェックしておく
- 住宅のアフターケアの内容を確認しておく
どれも重要なポイントであるため、1つずつ確認しましょう。
土地の状態に関する情報をチェックしておく
建売住宅を購入するときのポイントの1つは、土地の状態に関する詳細な情報を丁寧にチェックすることです。確認項目としては以下が挙げられます。
- 地盤の安定性
- 周囲の地形の特性
- 日当たりの良さ
- 風通し
- 法的な制限
土地の情報をしっかりと確認し、その土地が住宅を建てるのに適しているかどうかを見極めることが大切です。
周辺環境をチェックしておく
周辺環境も、建売住宅の購入を考える上で非常に重要なポイントです。具体的には、以下をチェックしておきましょう。
- 交通アクセス
- 生活施設
- 治安
- 騒音や臭い
駅やバス停までの距離や、主要な道路へのアクセスの良さを確認しましょう。通勤や通学の利便性に大きく関わります。
学校や病院、スーパーマーケットなどの生活施設がどれくらい近くにあるのか、治安や騒音などの問題などは生活する上で重要な要素です。特に周辺の治安状況について、昼間と夜間の雰囲気が異なる場合もあるので、できれば異なる時間帯に訪れてみるとよいでしょう。
周辺の情報を事前に知っておくことで、快適な生活を送るための計画を立てられます。
住宅のアフターケアの内容を確認しておく
さらに、住宅のアフターケアの内容も購入前には忘れずに確認しましょう。
建築後の保証期間や内容、メンテナンスの対応などを知っておくことで、安心して生活できるでしょう。万が一のトラブル時も対応してもらえる保証があることを確認することが重要です。
建売住宅に関するよくある質問
最後に、建築住宅に関するよくある質問を紹介します。
- 建売住宅の老朽化は早いって本当?
- 建売住宅の耐震等級は低い?
- 建売住宅と注文住宅の価格差はどれくらい?
順番に回答していきます。
建売住宅の老朽化は早いって本当?
建売住宅だからといって老朽化が早いわけではありません。老朽化が早いかどうかは、建材の品質や施工の良し悪しが大きく関係します。
建設会社が高品質の材料を使い、丁寧に建築すれば耐久性は十分だといえるでしょう。ただし、建売住宅は標準的なグレードの建材を使用していることが多いため、10〜15年単位でのメンテナンス(再塗装など)が必要になるでしょう。
快適に長く住み続けるためには、購入前に物件のチェックをしっかり行い、購入後も定期的なメンテナンスを行うことが重要です。
建売住宅の耐震等級は低い?
建売住宅の耐震等級が低いといった誤解がありますが、実際には多くの建売住宅が高い耐震性を持っています。
そもそも耐震等級とは、日本の建築基準法に基づいて定められている、地震に対する建物の強度を示す指標です。日本では、建物は耐震等級1〜3のいずれかに分類されます。耐震等級1は建築基準法を満たす最低限の基準で、2は1.25倍、3は1.5倍の強度を持つことを示します。
多くの建売住宅は、耐震等級2、もしくは3を満たすように設計されています。具体的な耐震等級は、販売業者や物件によって異なるため、購入前に確認することが重要です。
建売住宅と注文住宅の価格差はどれくらい?
住宅金融支援機構が行った『2022年度 フラット35利用者調査』によれば、注文住宅よりも建売住宅は1,000万円ほど費用が抑えられています。
全国でフラット35を利用して建売住宅を購入した人の購入価額は3,719.0万円でした。一方、全国でフラット35を利用して土地付注文住宅を購入した人について、建設費と土地取得費の合計は4,694.1万円でした。
ただし、個別の建売住宅と注文住宅の価格差は、土地価格や建物の規模・素材・設備・設計の複雑さなど、多くの要素によって変動する点に注意が必要です。
建売住宅のメリット・デメリットを理解して自分に合った家を見つけよう
建売住宅も注文住宅も、それぞれ独自のメリットとデメリットがあります。両方の住宅の特徴を正しく理解し、自身の生活スタイルや家族のニーズに最適な住宅を選ぶことが重要です。
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